犬の破傷風を知る
多くは5日以内に死んでしまう恐ろしい病気
破傷風の症状
土壌中に存在する破傷風菌が犬の傷口などから侵入しおこされる急性の感染症です。
この破傷風にかかると、運動神経と中枢神経がダメージを受け、硬直形のけいれんを起こします。
普通は感染後、5~8日で発病します。症状は、頭の側面の筋肉のけいれんから始まり、これによりまぶたが引きつり、鼻の穴があき、口も開けられなくなります。
症状が進むと、首や体の筋肉のけいれんが起こり、歩くことが出来なくなります。
このような症状になると犬はわずかな音や振動に対して敏感になり、しばしば体を弓のようにそらし、呼吸困難に陥り、多くの場合は発病後五日以内に死亡してしまいます。
回復する犬でも、二週間は症状が続きます。
破傷風の原因
破傷風菌が傷口から侵入すると、テタノトキシンと呼ばれる毒素を作りだし発病させます。
このテクノトキシンは中枢の運動神経細胞を集中的に攻撃するので全身の筋肉のけいれん、知覚過敏が起こります。
破傷風の予防・診断・治療
診断
破傷風の症状はほかに似た症状を表す病気が存在しないため症状と外傷などかがあるかで判断します。
破傷風が見つかれば診断は確定できますが、症状が現れる頃には傷口がふさがってしまう事が多く感染部位がハッキリしないために確定はなかなかできません。
治療
症状が進んでいると治療は困難ですが、一般的には細菌が侵入して増殖している部分の組織を取り除き、オキシドールでしっかりと消毒し、ペニシリンを投与します。
また、体の中の毒素を中和するために、抗毒素血清を使います。食べる事も飲むことも出来ないため栄養剤を投与します。
予防としては、犬がけがをしたときには、どんな小さな怪我でもオキシドールでしっかりと消毒をしましょう。
また、去勢や断尾などの手術をしたときの外傷にも注意が必要です。